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宇宙でいちばんあかるい屋根のSUのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

終始とても良い雰囲気で話はわりとベタなのだが、丁寧にベタさを描ききれていない残念さがある。
ファンタジックなお話なのに、溢れ出る作り物感や細やかな描写が行き届いていない感じがしてしまった。

原作未見だが、おそらく上映時間の都合上、主人公の女の子一人にスポットを当てて抽出した作りになったのか、周りの人物たちが深掘りされず感動が薄れてしまった。なんなら主人公すらも深く描かれきれてないような。
隣の家の家庭事情は最低限まで削ぎ落とされ、バイク事故に至る経緯もイマイチそれまでの関係性がこちらの想像で補わなければならなかったのも理由の一つかもしれない。

途中に出てくるクラゲとともに空に浮遊する夢のシーンは必然性や幻想的であるとも感じず、合成感丸出しの違和感だけが目立つシーンとなってしまった。

ラスト近くの糸電話も、空から伸びた紐が少し弛んでいるところとか、なんか吊るしてるなあって感じがでてしまって...ファンタジックに描ききれていない感じがする。

そもそも星ばあと主人公の関連性が薄いので出会いの理由の何故?が見えてこない。

ラストも孫がクラゲ好きもしくはクラゲを誰かと一緒に見に行ったという記憶がせめてボンヤリとでもないと、星ばあに関する記憶が一切ないことになってしまうので、再会を果たせても星ばあ側の一方通行であって泣けそうで泣けない状態に。。

などなど、脚本演出部分に気になるところはあるが、役者陣の魅力は確かでその技量でこの作品の良さを支えている。
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