さすらいの旅人

アトラクション -侵略-のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

アトラクション -侵略-(2020年製作の映画)
3.3
異星人をウォッカで酔わせてどうするの?  CATV/ムービープラス録画視聴。

前作「アトラクション 制圧」のVFXの出来栄えが素晴らしかったので期待して鑑賞。
続編となるがスタッフはほとんど同一であり、オープニングでは前作の復習場面がある。
IMAX3Dで製作されロシア本国では大ヒット作とのことだ。

本作のVFXは水を中心に描かれており悪くない。前作のモスクワ市街に宇宙船が墜落する驚愕の映像ほどのインパクト場面はないが、ハリウッド大作に引けを取らない映像は素晴らしい。水の惑星に迷い込んだような世界観は個人的に好きだ。

現代のデジタル社会への警鐘も描かれているのも面白かった。特に話題のフェイクニュースについての風刺はお見事だ。アメリカのトランプ大統領で脚光を浴びたマスコミへの攻撃の言葉だが、ロシアでも最近話題になっているらしい。検閲が厳しいロシア映画としては、風刺的シーンは珍しいかも知れない。

この映画の各映画サイトの評価は残念ながら低い。その理由はストーリーだと思う。異星人の襲来という壮大なSF映画なのに、ドラマは異星人と若い女性の恋愛が中心となる。アイデアは良いのだが、何故かスケール感に欠けてしまう。そして、こじんまりとした小世界の印象に見えてしまうのが残念だ。また、対宇宙船への攻撃的ドンパチが少ないせいもあるかも知れない。

最後に、訳の分からんおばあちゃんが、異星人にウオッカを飲ますシーンがあるが、ロシアらしくて大変面白く笑ってしまった。