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春を告げる町のDickのレビュー・感想・評価

春を告げる町(2019年製作の映画)
3.0
1. 初版2020.04.16

❶相性:良好。

➋福島原発事故から6年たった被害地、福島県双葉郡広野町を舞台にした大変意義のあるドキュメンタリー。
①当地は、2011年3月の東日本大震災で、3つの原子炉が次々とメルトダウンし、史上最悪レベルの原発事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所から約20kmに位置しているため、事故直後から全町避難を余儀なくされた。
②そして、原発が存在しないにもかかわらず、東京電力や自衛隊の前線基地となり、全国各地から廃炉や除染にあたる作業員が集まってきた。町民より作業員の方が多い町となったのだ。
③それから6年経った2017年、除染やインフラの復旧が徐々に進む中、町民の帰還も始まっている。
④2020年東京オリンピックの聖火リレーでは、3/26のスタート地点に予定されていた。(新型コロナウイルスの影響で大会が延期されたのに伴いリレーは中止。)

➌本作では、色々な困難の中で、復興に取り組む人たちの日常が映されている。
復興を題材にした演劇に取り組む地元高校演劇部の生徒たち、仮設住宅から戻った高齢者たち、稲を作る農家の人たち、伝統ある祭りを再開させようと頑張る関係者たち、原発の汚染処理現場で働く作業員たち、震災後に誕生した子どもたち等々・・・・・その中には震災を知らない人たちも含まれている。

❹不平も文句言わずに必死に頑張るこれらの人たちの心情を思うといたたまれない。
東京電力も日本政府も、必要な責任を果たして欲しい。今の日本では、そんな願いが通じないことが分かっていても、願わざるをえない心境である。

❺まとめ:
①大変有意義で価値ある作品である。
②映画としての出来はもうちょい。
③セリフが小さく聞きづらいかったのが難点。

2. 追記2020.05.07

❶評価:

①KINENOTE:82点/100点/ 7人
②Filmarks:4.2/5.0/64人
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