RYUYA

アンダードッグ 前編のRYUYAのレビュー・感想・評価

アンダードッグ 前編(2020年製作の映画)
4.5
なんだろうね、森山未來って。
あの佇まい。日本の役者っぽくない異次元さというか。マジ孤高。顔トムヨーク。

ABEMAにて駆け抜けました。
結果から言うと、前篇の方がアツかった。

正直前篇では、主人公である落ちぶれボクサーは完全なる咬ませ犬(後篇ではハジける)の位置。勝地涼演じる大御所俳優の七光りのクソすべり芸人が、くだらないボクシング企画を通していつしか本当に「勝ちたい」と魂を燃やすまでのドラマに感動した。テレビ局員が当たり前に八百長を勧めてくるという、むっちゃ地上波批判みたいな描写はABEMA制作だから出来る外側からのカウンターパンチみたいで二重に燃えたし。

で、実はその勝地涼すらも作品的には咬ませ犬で、真の主人公はこの男だったんじゃないかというくらい泣かせに来たのがロバートの山本さんだった。コントでは「何〜??」と「無理〜!!」しか言わない、人間のプレーンみたいな男が、全セリフでパンチラインを打ち込んできた。山本さん然り、『罪の声』の宇野祥平さん然り、脇が輝き出した時、映画のキラキラは何倍にも溢れる。古き良き時代の映画を思い出した。素晴らしかった。
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