ニシカ

佐々木、イン、マイマインのニシカのレビュー・感想・評価

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)
3.6

「世界はすごいスピードで進んでる ついていかなくちゃ でも、ついていけないスピードじゃないだろ?」


27歳になった今も役者の夢へは道半ば。腐りそうな心の中で思い出すのは青春時代。燻っていた日も何気ない日も振り返ればハミ出し踏み出していく佐々木の強さに輝かされていた。溢れる衝動で描くのではなく、抱える内省的な感情を感じさせることで物語る新たな青春映画。

若さゆえに永遠に続くと思った人生も思い通りには道は開けず、齢を重ねて世の中のその他大勢に足され朧げに先細りの未来が見えてくる。諦めと妥協が憂いの表情として横顔に現れる。


細川岳、藤原季節はまだ荒削りながらも表現力の豊かさを感じさせる。そして村上虹郎はスクリーンに視線を惹きつけさせる流石の存在感だが、その存在感が故に他役者を霞ませてしまうので本作のようなインディペントな作品には少し納まりという意味では厳しくなってきたかな、。

そして映画らしく"間"を十分に取っていたが、少しその長さが気になってしまった。観る者にその"間"を持たせる存在感や説得力が役者達には必要だったりするんだよね、。でも、これからシーンに飛び出ていく方々達だから場数を経て"それ"を纏っていくのでしょうね。
ニシカ

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