Nちゃん

佐々木、イン、マイマインのNちゃんのレビュー・感想・評価

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)
3.8
俳優になるために上京したものの鳴かず飛ばずで、同棲中のユキとの生活もうまくいかない日々を送って悠二は、高校の同級生の多田と再会をする。
悠二は多田との再会で、在学当時にヒーロー的存在だった佐々木との日々を思い起こす。
悠二はある舞台出演のため稽古に参加するが、稽古が進むにつれ、舞台の内容が過去と現在にリンクし、悠二の日常が加速していく。
そんな矢先、悠二の電話に佐々木から数年ぶりの電話がかかってくる。


なんかこの映画一言では表せないんだけど、感動とモヤモヤが混ざったような作品というか。

ユウジが演じる舞台のストーリーが佐々木そのものを表しててシンクロしすぎで、佐々木を思い出さずにはいられないんだよね。
ユウジが堕ちかけているところを役者仲間の友人が一緒に舞台をやりたいと声をかけてくれたからこそユウジは堕ちる手前で救われた。
それを後になって感じたからこそ、ユウジ自身が青春時代の過去の佐々木の事や卒業して数年ぶりに再会したときにでも堕ちていく佐々木に手を差し伸べることができたんじゃないかと後悔した気持ちもあるんだよねきっと。

佐々木という人物は、佐々木を演じた役者の友人をモデルにしたということで少し驚いたが、男たちが憧れる要素が佐々木には十分ある。

ユウジの恋愛はそこまで深くストーリーに含まれなくてもよかったし、ユウジの恋愛の必要性はなくても良かったよね。

まあでも過去の恋愛も吹っ切れたし、佐々木は「現役の佐々木」だからユウジの人生も進んでいった、ということなのかな?

佐々木がユウジによく口にした「お前は大丈夫だから好きなことやれ」てきなセリフがすげー印象的だったし、「彼女ほしい」のセリフには佐々木の全ての想いが詰まっていたような気がする。

本当は佐々木は何を想って何がしたんだろう。お父さんの死についてどう思った?親戚いたなら引き取ってもらえなかった?だとしたら今みたいにグレることはなかったんじゃないの?

ラストの佐々木コールで救われた作品でした。
Nちゃん

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