イチロヲ

必殺! 恐竜神父のイチロヲのレビュー・感想・評価

必殺! 恐竜神父(2018年製作の映画)
3.0
ギャングに両親を殺害された牧師(神父にあらず)が、ヴェロキラプトルへの変身能力を駆使しながら闇の組織に肉薄していく。怒りを爆発させると恐竜に変身する牧師の葛藤劇を描いている、ホラー・コメディ。

低予算のため映像を作ることができず、「VFXで車が燃えている」という文字が表示される。牧師の間抜けなキャラ作りが秀逸であり、含蓄のある台詞を喋りそうな雰囲気を出しつつ、中身のないことを喋るという、すかしギャグが効果を上げている。

変身後のラプトルは、CGではなくお手製の着ぐるみによるもの。そして、中国人のボス(演者は墨絵で有名な芸術家)が牛耳る組織の描写では、配下として腰の引けたジャパニーズ忍者が登場する。

「本当に神様は救済してくれるのか?」という命題を突きつけてくるところが、キリスト教圏ならでは。割りと奇麗にまとまっている作品なので(筆者の感性が麻痺しているだけかも)、少しだけ上質なジャンク・フードを食べ終えたような満足感が得られる。
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