小川勝広

サイキッカー 超人覚醒の小川勝広のレビュー・感想・評価

サイキッカー 超人覚醒(2019年製作の映画)
2.9
オープニングのシーンに関して

1917と比較すれば分かりやすい。
テーマと技術のマッチングの問題がひとつ。
技術そのものの問題がひとつ。

テーマと技術のマッチングに関して。

ワンカット風に物語を見せる難易度が高い事にチャレンジしてるのは素晴らしい。
が、
ワンカットで見せるには、設定が複雑だ。
冒頭で乗れない。


技術そのものの問題

カメラの動きが視覚効果になっていない良くない例。

何が良くないのか?

カメラの動きが速すぎる。

70年代までは、
30キロ程度ある重いカメラを動かすには、
鉄製のレールを敷いて、
その上にローラーの付いた長方形の、
移動車を置き、その上に三脚を乗せ、
そしてカメラを置いて、カメラマンと、
フォーカスマンが移動車に乗って、
重い移動車を押して、被写体に併せて、
移動撮影をしていた。
撮影効果とエンドロールに出ていたりする。
今でも安定したカメラの動きが必要な場合は、使用する。

しかし、室内や複雑な曲線の移動には、
適さない。

そこで、複雑な曲線の動きにも対応する、
手法をキューブリックが考案した。

ステディカメラという手法だ。

メカニズムはまた別の機会に。

大事な事は、
これはあくまでも人間の目線、
人間が被写体を追う目線の為の手法であるという事が大事。

なので、軽い動き、速い動きは、
効果的なカメラワークどころか、
違和感しか感じない。

昨今のドローン撮影でも、
何を撮るのか、何を伝えるのか、
決めないまま、一気に上空にあがる映像など、違和感を感じる観客は多いはず。

以上の違和感は中盤、終盤でも拭えなかった。

ごっついアーマーは、近い将来、
見えないくらい小さくなるかな?

ごっつい携帯が、スマホまで進化したように。