くさむすび

警官の血のくさむすびのレビュー・感想・評価

警官の血(2022年製作の映画)
3.3
途中までは面白かったのだが、後半からの性急な展開には割と集中して見ていたのにも関わらず「何故そうなる?」と言いたくなる展開の連続で最終的には微妙な後味な作品だった。
先述の通り前半はかなり良かった。荒々しい捜査を行うパク・ガンユンの流されないチェ・ミンジェ。彼は規則と法令を何とか守ろうとしているけど、停車禁止ゾーンに車を停め警備員に注意されるけど警察ということで何とか免れるというシーンがあった。結局軽微なものでも警察特権で逃がれることになる、無自覚ではあるけれどグレーゾーンに踏み込んでいるのが良かった。その見方を含め、パク・ガンユンは上手い具合にグレーゾーンを漂っているキャラクター設定なのが見事。いくら警官を間接的に殺した疑惑がかけられてるとはいえ、途中のミンジェに対する対応を見ても正義感の強さが先行している気もするし頻繁に善悪を行き来している。
そんな造形含め見事な前半から後半は駆け足になっていきどんどん観客が置いてけぼりになったように思える。時間経過の分かり辛さもあるが、心情の機微を感じ取れない。結果的にチョ・ジヌンとチェ・ウシクの演技を楽しむ映画に成り下がってしまったのが残念。
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