おなべ

グッバイ、レーニン!のおなべのレビュー・感想・評価

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)
3.6
◉1980年代後期の東ドイツを舞台に、壁の崩壊を知らない社会主義一色だった母親に東西が今でも分裂していると見せかける為に、あの手この手で社会主義を演出するコメディ&ヒューマンドラマ。

◉ 「社会主義上等、東ドイツでも何でも捏造してやる」と、母親の為だとは言え、その甲斐性が凄い。それに嘘は嘘でもこれは“ついていい優しい嘘”だと思う。真実を伝える事が必ずしも良い結果を生むとは限らないし、出来る事はやった方がいい。それに誰にでも出来る事ではない。仮にいつかこの嘘がバレたとしても、母親は息子を責めないよ。素晴らしいよ、息子。

















【以下ネタバレ含む】














◉ナレーションでは母親は真実を知らないまま亡くなったと言っていたけれど、実は全てお見通しだったのではないかと思った。息子の優しさに気付き、最後まで騙されているかの如く振る舞っていたのではないかと…。理由はただ一つ、大切な息子と娘への紛れも無い愛情と感謝、それだけだと思う。
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