Osamu

グッバイ、レーニン!のOsamuのレビュー・感想・評価

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)
3.8
東西ドイツ統一の直前、東ドイツのある家族の愛の物語。

反転を観る映画。
これ好きです。
激動の時代の東ドイツ市民の生活を垣間見ることができます。1990年サッカーワールドカップ、年末の統一に向かって西ドイツチームの躍進に東側の市民も盛り上がる風景も。

ベルリンの壁が崩れて西側の文化が流れ込む。社会主義の象徴だったものたちは新しい世界では不要なものに反転。

愛国者の母親が心臓発作で倒れて昏睡状態だった8ヶ月間に東ドイツはすっかり変わってしまう。目覚めた母親は依然危険な状態。ショックを与えてはならないと医者に言われた息子のアレックスは社会主義国家が続いているように装うことを決意する。

反転した社会を、母親の周りだけもう一度反転させる。

装うために作る世界が母親への愛で溢れている。

こんな大袈裟なことではないけれど、ひとは愛する者を守るために何かを隠したりするだろう。隠されたものが明かされる時、目の前の世界が、そして過去が反転する。その瞬間に沸き起こる感情がたまらない。

最近「年末に観る映画」というジャンルを勝手に意識しているけど、これは正にそのジャンルにハマる。実家に帰って父母に「俺に今まで隠してることない?」って聞きたくなる。いや、絶対に聞かない。