mo

グッバイ、レーニン!のmoのレビュー・感想・評価

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)
4.5

1989年、東西ドイツ統一。

大きな時代の転換期に、人々はどのように流れを受け入れ、生きていたのか。


社会主義活動家で著名なクリスティアーネを母にもつ青年・アレックスは東ドイツ建国40周年の日に反体制デモに参加し警察に連行されるところをクリスティアーネに見られてしまう。
そのショックによる心臓発作から昏睡状態となってしまったクリスティアーネが奇跡的にも目覚めたのは8ヶ月後…
ドイツではベルリンの壁が崩壊し、社会主義が敗北を喫していた。


大学の講義で紹介された作品。
主人公アレックスの丁寧な説明とたまに挟まれる実際の映像から当時のドイツの様子がよくわかるので講義に使われるのも納得です。
歴史的出来事の中に家族愛を絡ませる構成も見事で、ジャンルは"コメディー"とされているけど込み上げてくる笑いのなんて切なく温かいことか。


個人的に最後のクリスティアーネの気持ちが少し気になりました。
彼女は自らの選択を後悔しないために東ドイツを支持していたようにも思えて…
そういう意味でベルリンの壁崩壊が彼女に与えたのは悲しみだけではなかったかもしれない。


ヘリで運ばれるレーニン像と見つめ合う名シーン、まさに「グッバイ、レーニン!」だった。
mo

mo