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グッバイ、レーニン!のharuのレビュー・感想・評価

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)
3.5
東ドイツのピクルス。

愛する母が心臓発作で倒れてしまい、息子アレックスは献身的に看病を続けていた。8ヶ月後母は何とか意識を取り戻すが、この間ドイツは東西統一を果たし、すっかり環境が変わっていた。熱心な社会主義者であった母が、このことを知ったら絶対ショック死する!ということで、アレックスは今でも東ドイツが存在しているかのように演出をする。

コメディらしいんですが、音楽のせいなのか笑えないというかむしろ何だか哀しい気持ちになりました。そういえばドイツは東西統一されてから、まだ30年も経っていない。本作の内容は実はそんな遠い昔話でもなかったりします。
ドイツの歴史にあまり詳しくないのですが、とりあえずドイツが東西に分かれていた頃、東から西へ亡命する人が多かったということで、西の方が経済的に豊かで暮らしやすかったんだろうくらいのイメージ。つまり統一は特に東側の住人にとっては歓迎すべきことなのかと思ってたら、そうでもないようで。確かに最低限の生活が保証されている東側では、頑張らなくてもとりあえずは生きられるわけだし、オランダ産に比べてそんなにおいしくない(のかはわかりません)東ドイツ産ピクルスも、毎日食べてればおふくろの味になります。主人公は母のために東ドイツ製品を手に入れようと奮闘しますが、統一後のスーパーには売っておらず(てかスーパー自体も西ver.に)、中身だけ入れ替えてました。味でバレると思うけど。
アレックスの溢れんばかりのママへの愛は、大きすぎてたまに暴走してましたが、ラストのママの「素晴らしいわ」というセリフにじーんときました。まじで「グッバイ、レーニン!」シーンはちょっと笑った。
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