みどり子

逃げた女のみどり子のネタバレレビュー・内容・結末

逃げた女(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

主人公が色んな女性たちのところを巡り、互いがそれぞれの人生に耳を傾ける会話劇。さまざまな立場や境遇の女性が出てくるが、各々の価値観を批判するのではなく、そこにあるのは傾聴だけ。男たちも出てくるが、劇中ある人物のセリフにある、まるで「雄鶏が雌鳥の首の後ろをつついてくる」ように、彼女たちの日常を掻き乱す存在として登場する。

「私たちは心と身体がバラバラで、思うことと行動は裏腹」「同じ話を何回もするのは記憶に頼っているだけ、本当に思うことで会話をしていない」と言う友人らのセリフは、「夫とは一度も離れたことがない」「愛する人とは一緒にいるべき」と執拗に繰り返すガミに向けられた無意識の批判かもしれない。

最後に先生から突きつけられた、「君は何故ここに来た?」という質問から逃げたガミの心には、本当は何の意志があって、何がそう惑わせたのか。ガミの心が行き着く果てとは。
みどり子

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