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逃げた女のQIのレビュー・感想・評価

逃げた女(2019年製作の映画)
4.0
“何から逃げてるの?”

監督:ホン・サンス
主演:キム・ミニ

…といっても韓国映画を全くと言っていいほど観ないので何の知識もなく一応書いてみたって感じw

あの『パラサイト』でさえ地上波で観ただけで、かつあまりハマらなかったという😅

ただこの作品は、予告編を観たときにとても自分の好きな映画らしさを感じていたのですが、結果予想通り好きなタイプの作品でした👍

キム・ミニ演じる主人公が夫の出張中(と言っている)に3人の女友達と会って交わす3つの会話劇。

長回しで語られるその会話も他愛のないもののように見えてどこかチグハグ。

時折行われる、観る者の不安を煽るようなズーム。

会話劇の途中に挟まれるエピソードには全て男性が絡んできますが、全てが噛み合わないやり取り。

どことなく今泉監督の会話劇の雰囲気に通じるものがありますが、そのズレ方は完全に真逆。

さらに主人公が繰り返し語る、
「5年間全く夫とは離れたことがない」
「愛する人とは一緒にいるべきだ」
という言葉。

ラストシーンでスクリーンを見つめる主人公の表情だけが、この作品の中で唯一彼女の気持ちを推しはかれると同時に、それまでなんの変哲も無いように見えていた会話劇の中で語られていた内容が伏線だったと気づき、全てが繋がっていく快感。

とても映画らしい映画を観たという満足感と、心地よい余韻に浸ることができました。

p.s.
自分も映画館のスクリーンを見つめながら何かから“逃げて”いるのかなぁ🤔
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