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逃げた女のoのレビュー・感想・評価

逃げた女(2019年製作の映画)
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いやはや素晴らしかった。
ガミ(=キム・ミニ)が会う女性たちの言葉に今ちょっと息苦しい女性は救われるんじゃないかと思う。女性の連帯を描いた傑作だと思う。
ちょっと年上の先輩は離婚して新しい穏やかな生活を心地よく過ごしていそうだし、もう一人の独身の先輩は独身なりにお金の心配もなく暮らしている。
かつてのホン・サンス映画からは考えられないほど男性は登場しないけれど、出てくる男はどれもろくなヤツがいない。グチグチ苦情を言う男、しつこく言い寄る男、どいつもこいつも女性たちの邪魔をしてばかりなのだ。
そして最後にガミが会う女性は同世代で、話を聞くとどうやら2人にはいろいろあったらしい。ここはほぼ終盤なので触れないでおきたい。
ガミはいよいよこの地を後にして現実に立ち返ろうとする一歩手前、彼女は引き返し、今はただこの映画のエンドロールをずっと見ていたいと思わせるラストは、すべての女たちを祝福するかのようで、ぼくはこの映画を愛してやまない、なんて恥ずかしげもなく言っていたい。
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