みどり

逃げた女のみどりのレビュー・感想・評価

逃げた女(2019年製作の映画)
3.8
2021/9/3

5年間の結婚生活で夫と一度も離れたことがないガミ
夫の出張中、仲の良い女友達に会いに行くことに


行く先々で
「愛する人とは何があっても一緒にいるべき」
夫に言われたという言葉を繰り返す
それがしあわせだと信じてやまなかったから

ヨンスンは元夫との泥沼の関係を断ち切った先輩
ルームメイトを交えた3人での談笑
その途中で隣人と猫を巡っての会話になるのだけれど…
これがお互いの主張が強く、まったく噛み合わず変な笑いが


ふたりめの先輩スヨン
彼女は独身女性で貯金を蓄え人生を謳歌している
いい男なんていないとぶちまけつつも、最近胸をときめかせている彼がいるのだという
そんなときに突然家にやってくる未練たらたら男性とのやりとりを黙って見守る


立ち寄ったミニシアターで出会ったウジン
過去のことでぎこちない空気が流れるのだが
話していくうちに
夫がテレビやインタビューで同じことを喋るのがいやだと言う
「同じ話の繰り返しに本心なんてありえない。変よ」

しきりに夫の言葉を繰り返すガミに
この言葉がリンクしたように思った



一見何も起こってないように見えるけれど
見終わって時間が経つとさらにじわじわ響いてくる
しあわせだと信じてやまなかった
夫のことを本当に愛しているかは分からない
けれど一緒にいて彼の考えを自分の考えとして
別にそれでいいと思っていたガミが
3人の女友達に会って自分の考えをしっかり持ち、自立している姿に
やるせなくなって逃げたくなって…


ラストのガミの行動は身に覚えがあるし
気持ちの変化を経て出会う作品はたぶん全く違うものになるんだろうなと思った



はじめてのホン・サンス監督作品でしたが
ズームアップがツボにはまってしまい、次はどこで来るんだ?!とにやにやしてしまいました。
他の作品も見てみたい。
たっぷりの温かい飲み物と共にゆっくり見たい作品でした。