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逃げた女のaのレビュー・感想・評価

逃げた女(2019年製作の映画)
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曖昧で心許なげでどこか少女のようなガミと、自らの意志と言葉を持ち生きている女性たち。その対比・会話の反復のなかで、ガミの深淵が垣間見える瞬間があらわれる。ホンサンス初だったけど好みだった… 女って「そんなことないよ」待ちの会話しがちだよなあとか、そういう会話劇の快感に満ちてる映画がやっぱり好き。

他のユーザーの感想・評価

久しぶりの韓国映画。この作風は好みだった。先輩やかつての友人を訪ね巡るガミ。日常のどうってことのない会話が交わされるだけなんだけれど、ガミの心の内が少しずつあぶり絵のように見えてくる。ヌーヴェルヴァーグ風。

牛、鶏、猫、烏は何かのメタファーみたいだったが、ガミの立場を表したのかもしれない。
捕食されることに気づいていない牛、ストレスある雄鶏にマウントされる雌鳥、飼い慣らされ依存している猫、喚けば迷惑と言われる烏。

「男と女」ではなく、「女と男」。

女性の生き方は様々だが、とくに男と別れた(離婚した)女の生き方は多岐にわたる。

ガミは他人に同調してしまい自分の思いを伝えるのが苦手のよう。そのガミが自分の思いを、先輩や友人の男性に対する考えに頷きながらも代弁してもらっていたんだなと、空気読む女子トークあるあるだった。

77分と短めなので、さらりと観られます。この女子トークに加わりたいと思ったら77分では済まず、朝まで生トークになりそう。
ピーメ

ピーメの感想・評価

3.4
ワンシーンワンカットの対話劇。人と話すことはやっぱり自分でも知らない自分に出会うんだね。
イツカ

イツカの感想・評価

3.2
韓国の女性の生き方のプレゼンテーションを見せられているような気持ち。
女性であっても、自分の人生は己で切り開き選択できる、ただし、お金とキャリアは必須…。
面白いカメラワークのシーンもあったが、淡々としすぎていて、あれ?これで終わり?という感覚だった。

このレビューはネタバレを含みます

空気感はすきだし
意味ありげな演出もわからなくはないけど
やっぱりこの手の映画はよくわからん
あとカメラのズームアップは猫のところ以外いらなかったな。。
最後のリンゴと包丁はサスペンス臭がどうしてもしちゃうし。。

ガミが、会う友人たちに毎回同じように旦那とのベッタリの関係性を話すのに、
その割に幸せそうに見えない

左手の薬指に指輪がないようにも見えた。。
tipsy806

tipsy806の感想・評価

3.3
主人公は夫の出張中に初めて1人で女友達3人を訪ね歩き、友達に自分と夫の夫婦論を話す。そこから交される会話の中に、のちのちこの映画の何かに繋がってくるのかも、みたいな所が無いまま映画が終わっていくのがある意味すごくないですか。消えて行く会話。でもこれがリアルであって、褒めたり安心させたり励ましたりしてる日常会話を、日々の流れを、覗き見る感じ。
3人の友人と会うだけというとてもシンプルな出来事が映画になってしまっていることが、なんかさ、映画にならないことなんてなにもないのか、と思ってしまった。

このレビューはネタバレを含みます

ドキュメンタリーみたいな不思議なズームアップ

落ち着いた先輩とその同居人
大人な先輩とアーティスィック交友
旧友と夫
コーヒーとリンゴ
5年間離れたことがなかった夫×3
裕次郎

裕次郎の感想・評価

2.5
んー、エリック・ロメールが好きなのはよく伝わってくるけど、「で?」て感じ。

尊敬する監督の確立した話法を意識しすぎてその外に行けない優等生の典型パターンみたいな映画だ。横紙破きの劣等生パターンの映画の方がずっと面白いんだよなー。
yuko0925

yuko0925の感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ガミはどういう人なんだろー
むっちゃ想像力掻き立てられるわー
ガミはホントは独身なのかな?
お金があるのは確かなんだろうな
最後なんでまた映画観に戻ったんだろう
何かあったから久しぶりにオンニに会いに行ったのかな?
と言っても実はそんなに親しい仲でもないのかも?

みんな全く演技にみえないのがすごい。
ガミの雰囲気が好き
何人かの友人を訪ね歩いて、同じような会話を繰り返す。淡白といえば淡白。とりとめもない会話。だけど主人公の中に違和感が生まれたのだろうか、そこにタイトルが『逃げた女』。男は申し訳程度にしか出てこない。わたしも今とりとめもない文を書きながらこの映画を反芻している。この映画に関してはズームよりパンが気になった。「愛する人と一緒にいるべき」。ホン・サンスはキム・ミニなんて言葉を(それも何回も)言わせるんだ。なんなんだよ。
時々クローズアップされる
場面場面がとても印象的

まだの方は是非^ ^
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