5年間ひとときも離れたことがない夫がいるなどという、そもそもその夫がいるのかどうかさえも疑わしいことを口にするが、女達は男性から離れてその有り余る母性を地域猫や養鶏相手に発散させることもあれば、仕事や運用で生活を食い繋ぎながら男性とワンナイトを重ねることによって男性性との距離を保ったり、また過去の過ちを悔い改めて未来に繋げていこうとする意志(それはキム・ミニの夫とのこれからの関わり方にもつながるだろう)を語るという、映画内でそれぞれバラバラなシーンが配置される。それに対してホン・サンスの演出と撮影は、決してキム・ミニを怒っている人や悲しんでる人高飛車な人などとイメージ付けることはなく、ミニの多面的な現代人という存在自体を記録していくようなアプローチのようにに窺える。