『あみこ』や『回転とみ子とどりーむ母ちゃん』と違って、シュールさ抜群の尖ったはあまり無いんですが、別路線でめちゃくちゃ面白かったです。
他の監督ならば台詞かテロップでめちゃくちゃ説明しそうなことを一切省いて最後の最後まで説明しない。
監督の過去2作は台詞とキャラとアングルがとても特徴的なのですが、今作は全然それが無かった。
でもだからといって、作家性の無いコンテンツのような商業的作品になったわけでは全く無くて、むしろ別の作家性が生まれた感じ。
今思い返せばめっちゃ全体主義で軍隊的だった小学校のクラスのあの雰囲気がめちゃくちゃリアルでめちゃくちゃ思い出した。
それに加え、照明はめっちゃ良かった。ダイナミックレンジの広い、かつコントラストが効いていながらも、自然光がとてもノスタルジーをリアルに感じさせるシーンの雰囲気を形作っていました。
直接全面に何かを訴えるのでは無く、日常にある何気無い構造を客観的に見せることで批評性が観客の中から自然と生まれてくる演出は、本当に凄いと感じました。
