Syoh

ベルリン・アレクサンダープラッツのSyohのレビュー・感想・評価

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2021.1013

社会の片隅に押しやられた移民や難民のコミュニティをギャング映画の形で描いた映画。
悔い改めて「善人」として生きようとしても、
「寝食以上の事」を求めて、手に入れようとしても悪魔がささやいてくるし、どうあがいても悪魔を招き入れるしかない仕組みになっている。
悪魔を一度でも招き入れたら中々追い払う事は出来ないし、救いも光も現れては街に潰される。
フランシスが難民達に語るシーンの
「根付く為にここにきた。何かを築くために。俺は難民じゃない」という言葉は
難民として移動してるわけじゃなく、定住したい、根付きたいんだ。それを得るために移動してるんだという気持ちが伝わってきたし、そしてここに辿り着いたんだと。ラインホルトという悪魔との関係を切れないのも根付く可能性を失う恐怖、何かを築ける可能性を失う恐怖があるからなのかなと思った。
でも最後には希望があって良かった。
真っ当に生きる事とはなんだろうかと考えてしまう映画でした。
原作も読んでみたい。
Syoh

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