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アーニャは、きっと来るのたまのレビュー・感想・評価

アーニャは、きっと来る(2020年製作の映画)
3.0
フランスに、こんな息を呑むような美しい風景もあるなんて知らなかった。空から映し出される、ピレネー山脈の景色が素晴らし過ぎる。

ナチスドイツ占領下のフランス。少年ジョーの住むスペイン国境近くの小さな村にも、ユダヤ人迫害が迫っていた。

ジョーが偶然出会った、村で隠れて暮らすユダヤ人男性。「アーニャ」は離れ離れになったその男性の娘の名。
娘が約束のその場所に来ることを切望しつつ、何人もの匿ったユダヤ人の子供たちを安全なスペインへ逃がしていた。ジョーはその手助けをする事になる。

フランス映画を想像して見始めたので、いきなりの英語にすっかり興ざめ。その為スコアも低め。
アンジェリカ・ヒューストンやジャン・レノという出演者にも戸惑う。
ドイツ軍の捕虜となり何とか生還したジョーの父親の描写も軽く、全てが薄っぺらく感じた。

だけど、ジョーの表現が素晴らしくて全てを打ち消してくれた。
ナチスの伍長への複雑な思いや、友人への思いやり、正義感や悲しみの感情も胸にずしりとくる。

この映画の中に描かれているように、命の危険を犯してまで、ユダヤ人を助けようとした多くの人たちがいたんだろうな。
シンドラーでも、杉原千畝だけでなく、名も無きヒーローたちが。

「アーニャ」はなかなか出てこない。
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