dei

のぼる小寺さんのdeiのレビュー・感想・評価

のぼる小寺さん(2020年製作の映画)
3.5
(まず率直に、小寺さんがめちゃくちゃ可愛い。)非現実的な"青春期におけるなにかしらの妖精"みたいな。そんな存在がいたら周りにどういう影響を与えるのか、みたいな、そういう実験をしたらという映画になっていた。その結果周りが触発される流れになっている。悪い意味ではそれ以上の奥行きや幅が無かった点だけど、もう一つこの作品の意義があるのはモーニング娘。を卒業した工藤遥ちゃんが元アイドルとかそういうことを含めた不思議な魅力があったことだと思う。モラトリアムたま子の前田敦子がアイドル時代から少し影のある魅力がそのまま映画に反映されていたのと同じで主演のバックグラウンドを含めた魅力がある。

最後までクライミングが好きという以外のパーソナルな部分が明らかにならなかった分、ラストシーンで自然や空を眺める以外の何か羽根を休める場所を見つけたような着地は映画としてはすごく綺麗にまとまってはいたものの、ただ、今まで妖精のように現実感がなく、性的な要素や学生らしさや少女っぽさすらなかっただけにその時に彼女が等身大の少女として生々しい人間になったような一抹の残念さも個人的には感じてしまった。もちろんそれは自分のエゴ。

「霧島部活辞めるってよ」にしろ「アルプススタンドのはしの方」にしろこの映画にしろ、学校という重要な岐路に立ちながら学生だからこそ人間関係なども含めた環境の狭さによって視野が狭まってしまい、だけど他人がいるからこそ触発されて成長するというジレンマの中で、他人の視線に左右されないことが重要だという共通の主題がある、なんだかものすごく難しい場所にいるんだなと今更ながら思う。それは大人になってもいつだってそうかもしれないけど学生の時なんて教室にたくさんの人がいて仲良くしないといけないという不自然な状況で生きることだけで精一杯なのに。

あとやっぱりギャルは最高。
dei

dei