矢吹

のぼる小寺さんの矢吹のレビュー・感想・評価

のぼる小寺さん(2020年製作の映画)
4.1
怪作。穏やかで静謐な、セミ。
群像劇で小寺さんを中心に、勝手に回る。
みんなが前向いて頑張る。
嘘を書けってことですか。不思議ちゃんですか。いいえ、真っ直ぐなのですの。
ただ、のぼる。自分が楽しい、嬉しいから。
いいじゃない。寂しくなくて。

ピアノの音がめちゃくちゃいい。
彼が没頭し出した時にセミを無視してしまった俺にも来た。あの夏。

最初の蚊帳の外感が愛おしいくらいに好きで、そこから彼女を見て頑張るようになる姿も最高で、他のみんなにも同様なんだけど、小寺の軸があると思いきや、それぞれの人生があって、
サボってる奴らも良いじゃないね。すごくダサく見えるけど、好きだよ。

小寺さんを見てると自分も登らなきゃなって。
小寺さんに恋してたので、ラストはつらい。そうはなって欲しくなかったぜ。

工藤遥ちゃんがハマりすぎててすごい。
鼻血も気にせず、壁をよじ登り
窓から飛び出す女の子、めちゃくちゃ良い。

君の横に堂々といられるように、目の前のことをとにかく頑張るのぼる。
何回落ちても、大丈夫。少し痛いけど、
勝ち負け以上に楽しんで。

人生かけて、人類の100年後に誰かの何かになれたらいいのにな。大きいってそういうこと。
小さくねえよ。
矢吹

矢吹