一生懸命はかっこいい
各登場人物ごとにチャプターを区切る演出や、作品全体の構成は吉田大八監督の『桐島、部活やめるってよ』に非常に近い一方、中心が空洞のあちらに対し、この作品は小寺さんが真ん中にいるのが対照的だ。
プロのクライマーを目指す小寺さんは、どこか抜けていて不器用だが、非常に真っ直ぐなキャラクターで、彼女を中心に物語が展開される。
周りの登場人物も小寺さんに負けず劣らずの不器用ぶりを発揮しているが、その生き下手が、逆に私には刺さった。
見終わった後に「ガンバ」と誰かの背中を押したくなる青春映画の傑作。