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メイキング・オブ・モータウンのcatmanのレビュー・感想・評価

5.0
スモーキー・ロビンソン(80)とベリー・ゴーディ(90)が終始イチャつきっぱなしで大変微笑ましい。二人ともすこぶる元気で声に張りがあって記憶力も良い。バケモノか。やはり彼らには常人とは違うギフトを授かっているに違いない。

モータウンをテーマにしたドキュメンタリーと言えば『永遠のモータウン』を思い出すわけで、あちらは ”Standing in the Shadows of Motown” と言う原題が示唆する通りレーベルの影の部分にスポットを当てているのに対し、こちらは光の部分にフォーカスした成功物語。ゴーディ個人について自分はあまり良い印象を持っていないんだけど、本作を観ると彼のあまりにも偉大な功績に改めて平伏する。実際のところモータウンほど世界中で愛されて、今なお音楽的にも影響力のあるレコードレーベルなんて他にないのでは。バイデンに当確が出た日に街の通りでモータウンソングが鳴り響き、人々が歓喜のダンスを踊る様子が非常に印象的だった。

数多のヒット曲やアーティストの中で、やはりスティービーとマービンは傑出していて、この二人はマジ別格。別次元。永遠の名曲 “What’s Going On” のオーバーダビングを分解して聴かせるパートが本作の私的ハイライト。それとエンドロール。関係者の殆どが気恥ずかしくて口ずさめないモータウンの社歌(!!)を、嬉々として熱唱するスモーキーとゴーディの多幸感たるや。ポロリと涙してしまった。
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