【こんなにも熱い政治家が日本にもいたのか】
まず僕自身の政治に対するスタンスは「諦め」である。
政治に対して高尚な、理想主義的な思いを抱いていたとしても、どうせ無理だろうという諦めだ。
理想を掲げ、あらゆることを投げ売って、「少しでも日本をよくしよう」と奮闘してくれるような政治家は、あくまでフィクションやドラマの世界だけのものだ。
だから、本作を鑑賞するときの僕のスタンスも自ずと斜に構えたものとなった。
でも、本作を鑑賞し始めて、その認識は大きく揺らいでしまった。
こんなにも熱い政治家が日本にもいたのか……。
自分の不勉強を恥じるとともに、まだまだ政治家も捨てたもんじゃないと思えるようになった。
もちろんどんな政治家だって最初は熱い思いで取り組んでいたのだと思う。でも、時が経つにつれ、派閥の論理や党利党益などの汚い部分に触れるにつれ変わっていったのだろう。
本作は、香川1区を地盤とする小川淳也という政治家を17年間追い続けたドキュメンタリーだ。
政治のあらゆる汚い部分を目の当たりにしてきた小川淳也さんは今も初心を忘れずに熱い思いと人間味を持って政治に取り組んでいる。
こんな政治家が日本にいたということにとてつもないほどの感動を覚えました。
他にも彼のような政治家が出てきて欲しいし(僕が不勉強なだけで他にもたくさんいるのだろう、そう信じたい)、小川淳也さんのことはこれからも追い続けたいと思う。
以下は個人的なメモ
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なぜこんな奴らが政治家をやっているのか?
党利党益を考えないと、出世できない。
党利党益の壁。それに関心がない。
「そろそろ息子を返してくれ」
「将来の話ではなく、今の不祥事の話しかできていない」
「娘です。」のタスキ
「政治家に向いていないのではないか?」
「将来も大事だけど、今も大事……。そのバランスが……」
「政治家を笑っているうちは絶対に日本は変わらない」
小川淳也さんの初めての国会質疑のとき、後ろでずっと笑っている議員たち。
「自分の思うようにならない負荷をくぐればくぐるほど人間は強くなる」
「政治に必要なのはただ1つしたたかさだけなのかと……。その無力感に襲われる」
衆院選のときの慶應義塾大学の井出英策さんのの激励の演説に鳥肌が経った。
「政治家に向いてないんちゃうかと思うときがある」
なかなか選挙区で勝てないのはなぜなのか。
選挙区当選ではないと発言力が弱い。
「政治家として成り上がろうという突きあがるような欲求や欲望がない。これは致命的」
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