このレビューはネタバレを含みます
かなり好みだった!
1950年代SFはさほど詳しくはないので、初見では全くオマージュを拾えなかったにも関わらずですよ。
走るフェイとか、おそらくドローンを使っているヌルヌルした長回しとか、無駄に長い老婦人の告白とか、これまた無駄に長い(1950年代から見た)未来の世界のスマホや自動運転の雑談とか……いちいち癖になる。
たぶん今の時代のドラマティックかつど迫力なSFに慣れてるから、逆にこの「不穏な空気」だけで最後まで駆け抜けるシンプルな作風がハマったのかもしれないな。
低予算映画という制限はあったにせよ、こちらまで「何が起こってるんだろう」と思わせ続ける手法は巧いですよね。
予算ついたら驚きの作品を作れるんじゃないのこの監督。
近年だとNOPEにも近い空気感を感じたけれど、個人的にはこちらが断然好み。
フェイが語ったスマホや自動運転の話を聞いて「まるでSFだ」と言っていた台詞は、未確認飛行物体を信じていない我々に将来返ってくるのかもしれないよね。