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二重のまち/交代地のうたを編むのGONのレビュー・感想・評価

4.3
やっぱり小森さんの映画は言語化するのが難しいのだが、凄い。

『空に聞く』では小森さん自身が取材を進める場面が観られたがこの映画ではその役割(+継承という儀式)を4人の若者に託す。
そして小森さんはそんな彼らを被写体として捉え、カメラに収めることに徹する。

そして若者たちが「『二重のまち 2031年 ・・・』」と語り出した瞬間、カメラがドキュメンタリー的動きから映画的構図の静寂へと切り替わる。小森さんはこの切り替えがとにかく上手い。もはや若者の語りに集中させる気なんてねぇだろと思われる程に構図がキマっている。
さらに冬の章の最後に流れる夕方のチャイム(偶然か意図的かどうかは定かではないが)は紛れもなく映画の奇跡である。
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