中庭

二重のまち/交代地のうたを編むの中庭のレビュー・感想・評価

4.3
いまの陸前高田にはないもの、それはそもそもないままでよかったものと言えるが、それが風景に透明に溶け込んだ中心地に落とされた、何も視ていない若者たち。彼らは景色の端々、人々の語りの僅かな裂け目にとらえられたとき、実験を通して何を得られたと思えたか。四人で小部屋に集まり、何を目の当たりにして何を思ったのか、語り合う場を作ることまでを引っくるめて実践と呼べるのであり、こういった類のアプローチを経ることで、何も知らない世代への記憶の継承という問題に人は初めて向き合うことが出来る。
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