うっちー

ザ・コールのうっちーのレビュー・感想・評価

ザ・コール(2020年製作の映画)
3.8
 予告を観てかなりヤバそうだなと思って見始めたのだけど、たしかに怖いは怖いが、想像以上ではなかった。でもよくできているし、なんといってもチョン・ジョンソの怪演が凄い。一体何人殺すの?という。最初のイメージや立場が翻っていき、スピード感落とさずにドンドン進んでいくストーリーが飽きさせない。

 最初、スマホを落とした系? と思ったら、名ドラマ『シグナル』みたいな仕掛けが。だけど、正義を追求するでもなく、真実を暴くでもなく、時間差を利用した女の子の闘いになってゆく。闘いにほぼ勝っていくのが、たぶん境界線人格障害の、ジョンソ演じるヨンソク。祈祷師だか占い師の母親(最初はこっちがこわい)にいたぶられていたのは、なぜなのか。あの母は何をしていたのかははっきり描かれてないけど、そういう設定だから、何かを感じとっていたのかなとか。
 もはや名優の域のオ・ジョンセやイ・ドンフィなどを登場させながらもざっくり脇役扱いに留めて、あくまでもパク・シネとジョンソの闘いに肉薄したつくりはホントにお見事でした。
 ジョンソがモノを食べるシーンが異様で、最初から後の展開を予測させる感じだと。やはり生理行動と殺傷というのはどこかで結びついているんだなぁと思ったりしました。
うっちー

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