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ザ・コールのReoのレビュー・感想・評価

ザ・コール(2020年製作の映画)
4.1
過去と現在が電話を通して繋がる、新感覚スリラー作品。

過去に起きた事は変えることが出来ない。変えることが可能であるなら、後悔は存在しない。「後悔先に立たず」という言葉があるように、真っ直ぐ未来に向かって、希望を持つしかない。ドラえもんやバック・トゥ・ザ・フューチャーが良い例であるが、過去にメスを入れることは、歯車を狂わす原因となり得る。過去に捉われず、未来に進むのが人生であり運命である。

あらゆる類似点により、彼女らを引き合わせてしまった悲劇。非常に手の込んだ、面白い作品だった。今回「電話」というの鍵になってくるが、言葉を通じてここまでの出来事へと発展し得ないというのが、恐ろしいポイントでもあった。
それから、家庭環境というのも人間形成の決め手となると感じた。やはり、縛られ続ける事はかえって宜しくない、またその逆も然りであると感じた。間違った愛情表現は、時に子供を苦しめ、曲がった人格を形成する。2人には似たような境遇がありながらも、貰った愛情の違いによるそれぞれの人格が見れた気がする。
なんと言っても、韓国映画らしい予測不能な展開が良かった。序盤から要所要所に散りばめられた伏線が、後々「あっ」という驚きに繋がる。
一瞬たりとも見逃せない、2人の演技力もこの作品の魅力へと繋がっていた。
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