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国葬のyoko45のネタバレレビュー・内容・結末

国葬(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 これほど壮大な国葬とは知りませんでした。弾圧や粛清で多くの人が亡くなったことがサラッと最後に字幕で説明されます。
 工業大国となった功績、秘密警察や罪の捏造、強制収容所送り、飢餓、あまりに両極端な功罪。
 何故このようなことが可能だったのか、監督の問いかけ、充分伝わる記録映像。でも少し疲れてクラクラしました。はじめは続けて「粛清裁判」を観ようと思ってましたが断念しました。

(以下、記録映像の内容、記憶の記録)
 1953年3月5日。スターリンの死。
 国中の拡声器が、3月2日から死に至るまでの病状を詳しく報じ、レーニンスターリンの功績を称える。拡声器の周りの人々、その顔は無表情、不安か悲しみか、それとも心に穴が空いたのか。
 モスクワのある会館にスターリンの棺が運ばれ花輪に囲まれる。国中のスターリン像にも花が捧げられる。人々の動きは整然とし、機械仕掛けのよう。
 スターリンの棺、もう動かないその顔を一目みるため人々が行列をつくる。市民、軍人、各国の要人。この場面の記録映像が長い、延々つづく人の列、かかる曲はレクイエム(モーツァルト)?
 町や村の広場に集まる人々、工場内に集められた労働者たち。彼らに向けられる幹部の言葉は、悲しみとスターリンへの親愛。いったい人々はどのような気持ちで受け止めたのか。
 いよいよ会館から棺が運び出され、有名な広場に向かい人々は歩く。厳かに、整然と、ゆっくりと。ショパンの葬送が流れる。(洗脳されそうになりました)
 広場、葬儀も最後、後継者たちのレーニンスターリンを称える長い演説、砲声、国中至るところで流れる船や鉄道の警笛。極寒の大国。
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