タミキーリ

私は隠れてしまいたかったのタミキーリのレビュー・感想・評価

私は隠れてしまいたかった(2020年製作の映画)
4.6
実は一番観たかった作品なのに配信最終日間近の最後になってしまった。リガブーエが乗り移ったかのようなエリオ・ジェルマーノの演技はもちろん素晴らしいが、なによりリガブーエを中心に置いた引きの映像の美しさが際立っていた。
あと時々、覗き穴レンズから見ているような、画面の両端がぼやけている映像が意図的に挟まっていて、リガブーエの行動をこちらが覗いているような気分になってくる。「暗殺のオペラ」の冒頭で使用された絵だったのか、確かにあの絵はインパクトがあった。
その実の家族との離別理由など、かなり特異な環境から、ほぼ放浪状態でいた時代を経て、自分の絵が評価されその対価として自由になる金銭を受け取るようになってから、リガブーエが言う言葉、彼が口にする度苦しい感じがした。

リガブーエを演じたエリオは特殊メイクなのだけれど、目がちゃんとエリオなのでメイクの下にエリオを見ることができてよかったです。