イライライジャ

私は隠れてしまいたかったのイライライジャのレビュー・感想・評価

私は隠れてしまいたかった(2020年製作の映画)
3.0
イタリア映画祭2021の10本目。
画家アントニオ・リガブエの数奇な生涯を辿る。
この人を全然知らなかったが、ベルトルッチ『暗殺のオペラ』のタイトルバックでも使われている虎などの力強い絵が印象的。

幼少期から虐げられ、大人になっても周囲から拒絶され、精神が病む日々。孤独で強迫的に絵を描く生活をするも、始めは誰にも見向きもされず作品を破壊。
リガブエは頑なに“芸術家”を名乗るのが芸術家っぽいなあと。一見変わり者だけど繊細な人だ。

自分自身を隠してしまいたいほどなのに、結局“愛”が連れ出してくれる。見えている世界が変わっていく感覚。人々から歓迎されている感覚。
普遍的ではないけれど、映像美も相まって綺麗なラストだった。