キャサリン子

水を抱く女のキャサリン子のレビュー・感想・評価

水を抱く女(2020年製作の映画)
3.7
歴史家のウンディーネ(パウラ・ベーア)は、ベルリンの中心部・アレクサンダー広場に隣接した小さなアパートに住み、博物館でガイドとして働いている。
恋人のヨハネスが別の女性に心変わりし、悲しみに暮れていた彼女は、潜水作業員のクリストフ(フランツ・ロゴフスキ)と出会う。
二人は激しい恋に落ち、愛を育んでいくが、クリストフは次第にウンディーネの態度に違和感を覚える……。

第70回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞。


おとぎ話っぽいなと思ったら、神話をモチーフにした寓話でした。
原題は『ウンディーネ』。

ウィキペディアによると…
「ウンディーネ とは、四大精霊のうち、水を司る精霊である。 湖や泉などに住んでおり、性別はないが、ほとんどの場合美しい女性の姿をしているとされ、人間との悲恋物語が多く伝えられている。パラケルススによると、ウンディーネには本来魂がないが、人間の男性と結婚すると魂を得る。しかしこれには大きな禁忌がつきまとう。ウンディーネは水のそばで夫に罵倒されると、水に帰ってしまう。夫が不倫した場合、ウンディーネは夫を殺さねばならない。水に帰ったウンディーネは魂を失う」
とのこと。

本作は、「愛する男に裏切られた時、その男を殺して、水に還らなければいけない」という水の精の神話をモチーフにした愛の物語です。


バッハの旋律も、湖の映像も、ストーリーも、全てが切なくて美しかった。
神秘的で、幻想的なダークファンタジー。
好みが分かれそうですが、好きな人はすごく好きな作品かも。
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