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DAU. ナターシャのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)
4.3
【3月に鑑賞、記録漏れ】
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オーディション人数39.2万人、衣装4万着、欧州最大1万2千平米のセット、 主要キャスト400人、エキストラ1万人、制作年数15年…… 「ソ連全体主義」の社会を完全再現した狂気のプロジェクト !
第70回ベルリン映画祭において、あまりにも衝撃的なバイオレンスとエロティックな描写が物議を醸し賛否の嵐が吹き荒れたが、映画史上初の試みともいえる異次元レベルの構想と高い芸術性が評価され銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞した『DAU. ナターシャ』。
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↑↑公式サイトのイントロダクションより

近年、HBOのTVドラマシリーズ『チェルノブイリ』や、ドキュメンタリー映画3部作『国葬』『群衆』『粛清裁判』等で、謎のベールが徐々に剥がされつつある旧ソ連の国家体制。前情報を聞いて、この系統の作品の決定版来たっと楽しみにしていてようやく鑑賞。
上記の壮大なプロジェクトを用意した上での極々ミニマムな人間ドラマ。拍子抜け感と、ある意味贅沢な映画制作だなぁと感じたり。

国家ぐるみの狂気じみた人体実験施設とか、天才的に頭の良い変な科学者とか。行き過ぎた監視社会ゆえの行き過ぎた尋問とか検閲とか。
そういうの凄い見たくなる性分で、我ながら悪趣味な好事家だと思う。
本作でも随所で楽しむ事が出来た。

何、あの巨大な三角錐型の実験機器。ヤバい無ぁ。被験者の感想が「熱〜いシャワーを浴びているようだった。」とか、ヤバいヤバい(笑)人体実験シーンが一番アガッた。

セックスシーンは、各国で問題になったと聞いたけど、それほどか?と感じた。エグさというより、生々しく、長回しで撮っているので、さらに演じた2人の年齢層も込みで普通の劇映画では見る事が出来ないリアルなセックスシーンで、その意味で良いシーンだった。

尋問のシーンは、これはキツかった。昔、本当に尋問をしていた人物が演じたらしく、尋問のやり方がハンパなく本物っぽい。相手のてなずけ方、その為の脅しの緩急の付け方。尋問中に一緒に飯食うのか、とか。

なにはともあれ、本作な壮大な『DAUプロジェクト』の中のほんの1作にしか過ぎないので、今後一つ一つ観て行くのが本当に楽しみ。
やっぱ悪趣味だなぁ。
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