コンテナ店子

グリード ファストファッション帝国の真実のコンテナ店子のレビュー・感想・評価

1.5
 伝えたいメッセージ自体はありだと思いますが、もうすべてが滅茶苦茶で映画全体が滅茶苦茶でした。キャラクターも多すぎですし、ストーリーもいっぱいあるし、でもその割に起こっていることが多いわりにイベントが少なくて似たようなシーンがすごく多かったです。

 この映画にはあるテーマがあります。その重要性自体はあると思いますが、その伝え方がすごくへたくそでした。まず伝えたいテーマが多すぎて一番大きいテーマ以外はすごく雑で映画にとって余計になってしまっていました。
 それに、一番の要素も映画の中ではすごくとってつけたのがあからさまです。それを伝えるためのキャラクターも今までいたかどうかも覚えてられなかったキャラクターいきなり出てきてそのことを言い出すみたいな感じでした。すごく伝え方が雑だなと思いました。
 『ミアとホワイトライオン』とかも本筋と別のメッセージ性がありましたが、ちゃんとそれが主人公の内面に大きな変化を与えていた上に、話の流れとしてそれが起きてしまったのも納得が出来ました。この映画はそんなスマートさがなく、このメッセージを伝えるために無理やりねじ込んだのがすぐわかりましたし、違和感が凄かったです。

 あと、本筋のストーリーもクソでした。色んな事が起きててごちゃごちゃしているし、時間軸も過去に行ったり現代に戻ったらまた違う過去に行ったり、そこから戻ったらまた最初の過去に戻ったりということが多くて、今どこの話をしているのかわからなくなりました。どこに意識を向けていいのかわからないし、起きてることもなんでそんなことをしているのかわからないしで、興味を全然向けられませんでした。

 何も知らない状態でこの映画を見ましたが、本当に見てるのがつらかったです。早く映画館を出たかったです。本筋はどうでもいいし、伝えたいメッセージ性はただ口で説明してるだけでエピソードとかがほぼないから、映画としての役割を果たしていないと思います。
 映画でメッセージを伝えるなら、当事者となっているキャラクターの一時を映画全体を通して追いかけるか、あまり関係ない人でも、その内容を面白くして、そのストーリーへ自然に組み込むべきです。この映画はその役割を全くはたしていませんでした。
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