狭須があこ

タイラー・レイク -命の奪還-の狭須があこのレビュー・感想・評価

4.2
世界一美しい死にたがりのゴリラ。
ファンほど嬉しく、そしてつらい映画です。

「ポーラー 狙われた暗殺者」と同じだこれ。
俳優アテガキ性癖博覧会だ。
ルッソ兄弟はクリスヘムズワースを極限まで追い詰めて涙目にさせることにどんだけハマってしまったんだ…
泣かなくても十分きらきらだから…
おねがい…そんな悲しい顔しないで…

アクションのためにあるだけのようなストーリーですが、この映画はクリスヘムズワースじゃないと成り立ちません。なんせ、この男の目を見て悪人だと思える人は、世界中のどこにも居ないのだから。
私はこーいうあまっちょろい自己犠牲の善人が大好きだし、それをできるクリスヘムズワースという男が大好きです。

屈強で繊細な、弱りきった最強の傭兵。
ハリウッドいちの子煩悩パパにこれをやらしてしまうか…
私達ファンはいつも、プライベートの彼の写真を張り付いてチェックしているので、それらが全部悲しい過去編に思えてしまうの、普通にズルいしめちゃくちゃツラい。クリス由来の成分に頼りすぎ。
見ながらしくしく泣きました。
見終わってよかった。クリスにまだ、幸せな家族が存在してよかった。

しかし動ける筋肉俳優なのに、思う存分アクションのやつって意外にあんまりやってないよね
深傷を負ってて、絶妙に発熱してそうな状態がピッタリハマっているけれど、しかしケガしてる腕をガンガン使って戦いだしたときには、ファンのニーズもよくわかってるなと思いました。

あんまべらべら喋んない、説明するより先に動きまわるタイプ。
泥臭く暴れまわり、子供以外を全滅させて、息を整えながらぐるぐる唸ってる大型犬、タイラーレイク。
そう、スマートでスタイリッシュでも、パワーのモンスターでもなく、これは「タフ」。
192cmの体躯が繰り出す傭兵ムーブ、いちいち動きがクソでかい。

しかしせっかくの筋肉を車に乗せるのはステーキにカレーかけるようなもんだぞ、と思ったものの、あぁ~全然小回りしねぇ~w
右折ww右折しなさいww
程よい脳筋ムーブが一貫してて、悔しいけどめちゃめちゃ愛らしかったです。

前髪も好きだし、構えた銃のうえに乗ってるほっぺたも好き。電話とるとちょっとサングラスずれるのも好き。

ファンの欲目、全然ダメだわ。
でも傭兵も、アクションも、そしてパパも、まさしくクリスヘムズワースにこそやらせるべきなのは、これは確かです。
狭須があこ

狭須があこ