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タイラー・レイク -命の奪還-のHIROのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

アクション映画としては素晴らしい出来でした!

「アベンジャーズ エンドゲーム」を手掛けたルッソ兄弟がプロデューサーを務め、「シビル・ウォー キャプテンアメリカ」のスタントコーディネーターを務めたサム・ハーグレイブが監督デビューを果たした作品。
シビル・ウォーを彷彿とさせるような骨太で生々しいアクションの連続に釘付けになってしまいましたよ。

クリス・ヘムズワーズ演じるタイラーがギャングのアジトを襲撃するシーンでは、キレキレのアクションシーンの連続にスカッとしましたね。
クリス・ヘムズワーズはソー以来のハマり役だったのではないでしょうか。
ギャングの頭にテーブルを打ち付けるシーンやギャングの顔面を熊手に突き刺すシーンなど、どれも痛々しくて凄く好きでした。
そして何より、中盤のカーチェイスやアパートでの特殊部隊員との攻防戦は目の離せないシーンの連続で楽しめました。
ワンカットで撮影していて、タイラーの運転する車の後方から撮っていると思ったらそのまま車内のシーンに突入したり、一体どうやって撮影してるいるんだろうと思うようなシーンがテンコ盛りでした。
アクションシーンはどれも迫力があり、タイラーと敵のサジュとの闘いは、まるでキャプテンアメリカとウィンターソルジャーの戦闘シーンを観ているようでとても臨場感がありましたね。
思いっきり車に轢かれても死なない2人を見ていると何かしら血清を打ち込まれているのかと思うくらいに超人っぷりを発揮していました。

そして、ただのアクション映画と思いきや、実は父親の物語になっていました。
タイラーは数年前に亡くした息子を看取れなかったことに罪を感じている。
だからこそ息子と重ね合わせたオヴィを何としてでも救いたいし、それが亡くした息子への罪滅ぼしになると思っている。
まぁ結構ありきたりな心情描写ではありますが、この手のアクション映画に深みを与えるには十分な設定だったかなと思いました。

サジュもまた、愛する家族を守ろうとしている描写が丁寧に織り込まれていたため、感情移入しやすかったです。

そして子供達が銃を持たなければならないハードな現実を突きつけて来るのも良かったですね。
悪の道に進むしか生きる方法を見出せなかった少年ファラドや、子供を屋上から平気で投げ落とすギャングなど、ゲンナリしつつも、間違いなくこの世界の何処かで現実としてあるんだろうなと考えさせられました。

ラストで闘いの終わりに死んだと思わせたタイラーが実は生きているという、続編を作る気満々なところは正直どうかと思うし、色んな映画で見たことあるような展開が多かったことは否めませんが、デビュー作でここまでのクオリティを発揮したサム・ハーグレイブ監督は流石でした。
今後彼の作品が公開されれば、是非劇場で観たいと思わせてくれるような作品でした!
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