10円様

タイラー・レイク -命の奪還-の10円様のレビュー・感想・評価

3.8
のらりくらりとレビューしていき、やっと100本目のレビューを迎えました。記念すべき100本目は…
Netflixアクション映画久々の当たり作品です!皆さんの評価がとても良かったので期待値上げて臨みましたがそれ以上でした。クリスヘムズワース及びルッソ兄弟もついにネトフリに参戦してくれて、今後の映画の見方がいよいよ大きく変わってくるかもしれませんね。
さて、この物語のムンバイですが以前「ホテルムンバイ」のレビューの中でタラヴィ地区の話をしました。もしくは「スラムドッグミリオネア」の舞台ですね。国連ではスラムの定義がきちんとあるそうで、人が住み得る環境5項目の中で1つでも欠落していたらスラムなのだそうです。私が調べる限りタラヴィ地区は5項目全てが欠落しています。変な話ですが、この映画と「ホテルムンバイ」を続けて観ると映画背景が分かってくるかもしれません。

そんなこんなでこの映画、世界最大のスラムのいや〜な部分をしっかりと届けてくれました。砂埃やアルミ埃(実際あるらしいです)にまみれた空気から、乾燥と熱帯感。清潔とは言いがたい居住区が犇く閉塞感、子供が銃を持って襲ってくる、襲ってきたら子供といえども倒す。など舞台設定はかなりのものですね。(だから劇場公開できないのかも)
そして今作の要と言うべきは何と言ってもカメラワークです。撮影はニュートントーマスサイジェルという人で、ブライアンシンガーと組む事が多い人ですね。X-MENのスピード感がこの作品でも出されていて、あの12分の擬似ワンカットは本当に息を飲みました。敵がまだ来る、どっから来る?どうやって来る?この12分に全てをかけたと言っても良い程の迫力でした。またハーグレイヴ監督はスタントマン出身だそうで、カーチェイスのシーンは自らカメラを持って身体を車に括り付けて命懸けの撮影をしたとか…そんなこんなで全てのスタッフが身体を張った今作は最高の出来になりました。
ただ弱かったのがタイラーのバックボーンなどドラマパートが退屈でした!普通はこの手の映画にドラマはそこまで求めないのだけれど、やはりルッソ兄弟原作って事でね。

コロナでビッグバジェットが軒並み延期で何観りゃいいんだよ〜(泣)の中こんな作品を公開してくれて本当に嬉しいです!Netflixオリジナル映画。駄作もあれば傑作もある。ここでしか観られない映画で発掘するのも良いですね。
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