のん

まともじゃないのは君も一緒ののんのレビュー・感想・評価

4.5
それ定量的に言ってもらえる?



「まともじゃないのは君も一緒」は、主役2人のハイテンポな会話劇をコメディとして成立させている一方、「普通って何?」や「好きって何?」と言ったことを考えたことのある人には、胸の奥を抉られるような切なさも突きつけてくる。


清原果耶は同世代の女優のなかでもキャリア・演技力ともに頭ひとつ飛び抜けているが、今回は背伸びした女子高生役として抜群のコメディセンスを発揮している。


相手役となる成田凌は、ちょっと変だけど憎めない予備校の先生を嬉嬉として演じていて、ふたりの掛け合いは夫婦漫才のように息がぴったりで、ずっと見ていたいと思わせる不思議な魅力がある。


「普通」「まとも」という感覚は、わたしも未だによくわからないが、そうした感覚に馴染めない人たちを馬鹿にすることなく、かといって変に持ち上げたりもしない。そのあたりのドライな作り手の視線は誠実だと思う。



大爆笑必至は詐欺師を思わせる小泉孝太郎で、今回ほど彼の遺伝子にぴったりと当てはまった役はないと思う。親にしろ兄弟にしろやはり詐欺師の才能があるんじゃないかと思う。
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