福福吉吉

まともじゃないのは君も一緒の福福吉吉のレビュー・感想・評価

4.0
◆あらすじ◆
予備校講師の大野康臣(成田凌)は数学一筋で結婚願望はあるものの「普通」の人との付き合い方が分からずにいた。大野の教え子の秋元香住(清原果耶)は憧れの実業家の宮本功(小泉孝太郎)が結婚することを知り、香住も恋愛経験が無いにもかかわらずに大野に「普通」の人との付き合い方を教えるとともに、実業家の婚約者・美奈子(泉里香)を大野に誘わせ、結婚を破談させようとするのだが...。

◆感想◆
ともにコミュニケーションに難のある予備校講師とその教え子が「普通」の付き合い方を学んでいくストーリーとなっており、何が「普通」なのかを描くとともに「普通」であることの是非を考える作品となっていました。

予備校講師の大野康臣は数学一筋に生きるも、教え子の香住から「普通」じゃないと言われる話し方や行動に、何が「普通」なのか分からない人物でした。大野と香住のやりとりはとても面白くて、香住の一言一言に突っかかっていく大野の言動は少し面倒くさい感じがしました。しかし、彼は至って真面目に会話しており、その真摯な態度は憎めないものがありました。

一方、大野の教え子の秋元香住はどこか冷めた感じが常にあって、大野に対しても呆れていました。しかし、大野が真面目に「普通」を教えて欲しいと懇願することから、香住は憧れの実業家の婚約相手に大野を誘わせて、人との付き合い方を教授するとともに、実業家の婚約を破談させようと企みます。恋愛経験のない香住が大野に恋愛指南するという如何にも失敗しそうな展開が意外な方向に向いていって面白かったです。

ストーリーのテンポは良くて、大野が美奈子相手に良い関係を築いていくのに反して、香住は自分の気持ちが分からなくなっていく展開が続きます。香住の心情が変わっていく様子はとても自然で良かったと思います。

「普通」というテーマの中で「普通」じゃない2人のやりとりがとても面白かった。成田凌さんは普通じゃない人の役がよく似合います。

鑑賞日:2024年10月10日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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