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最後にして最初の人類のsonozyのレビュー・感想・評価

最後にして最初の人類(2020年製作の映画)
4.0
2018年に亡くなった作曲家ヨハン・ヨハンソンが生前取り組んだ最初で最後の長編映画を、サウンドアーティストYair Elazar Glotmanらの協力により完成。
1930年作のSF小説の金字塔と言われるらしい「最後にして最初の人類(オラフ・ステープルドン著)」に触発されたもの。

旧ユーゴスラビアに多数あるコンクリート建造物・戦争記念碑「スポメニック」を静かに捉えた粒子の粗い16mmのモノクロの映像と、ヨハン・ヨハンソンによる印象的なサウンドトラック。

「私たち最後の人類から伝えたいことがあります・・・」と、人類に滅亡が迫る20億年後の未来からティルダ・スウィントンの声が語りかける。

Last Men(”第18種”のティルダ・スウィントン)からFirst Men(”第1種”である我々)へのメッセージ。
瞑想的、観念的、神話的、啓示的…約70分間のスピリチュアルな視聴体験という感じ。

サウンドトラックと女性の声(日本語吹き替え)のコンテンツもあれば、目を閉じて(寝ちゃっうでしょうけど)想像力を働かせるのも良さそう。

登場するモニュメントが時に『2001年宇宙の旅』の「モノリス」を連想させたり、ティルダの声に合わせて暗闇に光る緑の光が「HAL」のようだったり。

環境破壊や温暖化による災害の増加、終わりの見えないパンデミック・・明らかに我々“第1種”の?人類や環境が終焉に向かっている感がある現実について考えたりも。
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