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Panta Rhei(原題)のTnTのレビュー・感想・評価

Panta Rhei(原題)(1952年製作の映画)
3.7
 「パンタ・レイ(万物は流転する)」というタイトルからもわかるように自然界の中で似通った動きをするそれぞれの情景をディゾルブなどの編集でまとめ上げた作品。NHKやBSで見る自然界のドキュメンタリー映像とほぼ同義であるだろう。こうして見ると時代や歴史を超えて自然とはそこに現前するものだなあと思う。

 自然賛美。ベルト・ハーンストラ監督は他の作品も一貫して自然を賛美する眼差しを送る。いや、今作品においては光の賛美だろう。モノクロだからこそ自然の陰影の美しさが際立つ。特に冒頭の地面に伸びる木の影の美しさ。またこの監督の特徴である類似したものを繋げていく編集方法がここにも使われている。今回は流転がテーマであり、カットとカットの切れ目はディゾルブによって溶解している。思わぬフェイドイン、フェイドアウトによる類似と飛躍が面白い。
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