Ren

砕け散るところを見せてあげるのRenのレビュー・感想・評価

2.5
地雷の匂いがしていたので劇場観賞は見送りましたが、名作風のタイトルと大好きな清原果耶に惹かれ配信で観ました。駄作とは言わないけど入り込めず...。

まず、文学をそのまま台詞に落とし込んだかのようなカクカクした言葉回し、ギャグかと思うほど説明過多な独り言が気になって仕方ない。本作に限らず、よく「本筋以外の粗を突っ込むなんて野暮だ」という意見を見ますが、主軸以外のサイドストーリーや演出面でのマイナス面が気になり出したらそれは作品を台無しにしかねないので、そういう意味で今作はあまり好きになれず。

私は自分の命が第一と思って生きているので主人公のヒーロー観(自己犠牲の精神)に全く共感できないのですが、そんな彼の人物像を鮮明に描けていたと思うので、そこは純粋に良かった点だと思います。自分の思想とベクトルの向きは違えど、その数値を大きく打ち出すことには成功している=原作者はじめ製作陣のやりたいことはちゃんとできていると思いました。

予告や前情報でもわかるように今作はサスペンスの要素が絡んできます。恋愛・学園ものからサスペンスへジャンル転換する瞬間が明確で、一気に画面が引き締まる感じは高評価!今年最大の「黙っててくれ」が出そうになりました。お喋り好きという設定の布石を打ってから回収までが早すぎて笑ってしまう。

恋愛映画・学園映画・サイコ映画のエッセンスをつまみ食いしたような構成で、自分の中では特に余韻が凄かったり印象深い作品ではなく、無念の一作となってしまいました。

その他、
○ 松井愛莉と清原果耶の雰囲気が似ているので姉妹役という説得力がちゃんとある。
○ 学年毎の空気感の違いが分かりやすすぎてgood。
○ 夜の商店街を歩くシーンは流石に間延びしすぎ。
○ 水かけられて凍えるような冬の季節にあんなことできるか!
○ LINE Cameraで作ったみたいなポスターはもうちょっとどうにかならなかったのか....。
○ 絶対に原作小説読みます。

堤真一の演技を絶賛する声が多く、確かに彼の存在感は良かったです。でも私のなかでは『容疑者Xの献身』の石神が至高だし、近年は正直言ってあまり出演作に恵まれていない印象。未観賞のALWAYSシリーズ観てみようかしら。
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