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フィリピーニャのsonozyのレビュー・感想・評価

フィリピーニャ(2020年製作の映画)
4.5
ロンドン、アムステルダム、マニラを拠点に活動するフィリピン人の監督Rafael Manuelによる短編。
ここのタイトル間違ってますが、「Filipiñana(フィリピニャーナ)」は“フィリピンに関すること”の意味のようで、高級ゴルフコースを舞台に、フィリピンの格差社会をシニカル&ユーモラスに描いた秀作です。

登場する人物のヒエラルキーはこんな感じでしょうか。
①わがままそうな客たち
②メンバーを仕切る太め女性マネージャー
③ キャディー
④ レストランスタッフ/マッサージスタッフ
⑤ Tee Girl
⑥ 打ちっぱなしのボールを集める男

オープニングから面白い。
客の代りにショット打ったり?客を追っかけたりしてるキャディー。そして、バンカーの砂の上で寝てる可愛いコスチューム着た新入りのイザベルの俯瞰。

イザベルの仕事は”Tee Girl”
これ、フィリピンのゴルフ場で実際に存在するもので、ゴルフを終えた客のゴルフバッグを運び、集めたボールを洗ってケースに並べ、打席の前に座りマットの上に1ショット毎にボールを置くお仕事。
ロッカールームやテーブルで昼寝(雑魚寝)したり、仕事終えたあとのカラオケが息抜き。

性格悪そうな、いつも甘いもの食べてて肥満の女性マネージャー。
柄の長い虫取り網みたいなのを使ってボールを取るキャディー。
イザベルがキャディの一人とタバコ吸いながら話す、出身地イロコスの話。
ボールの準備しながら早口言葉してるTee Girlたち。

シーン、ショット、キャラ設定、コスチューム、会話。完璧です。

ベルリン国際映画祭2020: 銀熊賞
SSFF&ASIA 2021: ジョージ・ルーカス アワード(最高賞)
ほか
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