ゆかちん

ワインは期待と現実の味のゆかちんのレビュー・感想・評価

ワインは期待と現実の味(2020年製作の映画)
3.0
いい映画だった!
ワイン×ヒップホップ×家族愛。
夢に夢見るのか、夢を現実にするのか。


イライジャ(ママドゥ・アティエ)は、ワイン販売店と父親ルイス(コートニー・B・ヴァンス)が経営するバーベキューレストランで働いていた。
ルイスはイライジャに店を継がせようとしていたが、イライジャはワインにのめり込んでソムリエに憧れており、レストランの経営に関するノウハウにはあまり関心を示さなかったーーー。




夢を追いかける話だけど、甘くはない厳しい現実も示してるとこもある。

イライジャに恋人が出来たりするけど、ラブストーリーは本筋の邪魔にならない程度なのがいいね。むしろ、彼女がイライジャを後押しするというか、イライジャの「わかってはいるけど見えてないふりをしているところ」をハッキリとついてくるところがいい。メンターぽさもあるね。

「失敗するのが怖いから、何か理由をつけてあきらめようとする。人は出来ない理由を探しがちだけど、本気なら…。」

そうだよな〜。
「こんなことしたい」みたいなものを持っていても、中々行動できない人も多い。
自分にそんな才能がなかったら??
失敗するのが怖いし、失敗したら何も残らなくなってしまう気がする。
そうして置いておくと、いつまで経っても進めない。逃げちゃうよね〜。
そこをエイヤッと進むのは、いい話!


あと、親と子の関係。
親は子供のしたいことを応援したい!ていう想いと、
親だから子供には安全な道を歩いてほしいていう想い。
この話は、更に、祖父の代から必死で守ってきたレストランがある。
うーーん。
そうだねえ。。
そら、継いでもらえたら嬉しいよねぇ。
うーーん。

その中で、ニーシー・ナッシュ演じる母シルヴィアの、なんて素晴らしい母!!ていうお母ちゃんぷりが凄くグッときた。
子どものやりたいことは何がなんでも応援してあげたい。
きっと、全親の本音を具現化したようなとこありそう。
だから、急な展開にショックでした。


そうだねえ。
やっぱ継ぐとしても、やるだけやってからでないと、ずっとモヤモヤして後悔しそうやもんな〜。
父は、自分の夢を叶える前に、店を継ぐかどうかという選択に迫られたからやむなしだったけど。。でも、それはそれで立派な選択だと思うな。
ただ、仕事がなくて困る人も多い中で、人気もあるお店の仕事があるのはありがたいことでもあるよね〜。

そういう、多分、多くの人がぶち当たる問題をテーマにしていた。


そういう問題を、父と子が向き合っていく。
最後は、父が一緒にワインソムリエの試験勉強を手伝ってるのがよかったなぁ。
なんだかんだいうて、親やもんな。
父も反対してたのは、息子が毎回やりたいことをいうてはフラフラ変えてるのが良くないと考えてたからで。
継ぎたくない理由のためにとりあえず何かフラフラしてるだけなら、危なっかしくて心配だもんな。

それを、本気だと気づいてからは、しっかりサポートしていく。
試験の日にホテルに来てあげるとことか、父ちゃん〜〜って、キュンとしたわ。

ワイン販売店のソムリエ資格ある店長も手伝ってたのホッコリ。


ソムリエ学校に一回でパスして入れたり、パリにも行けたりと、そこはとんとん拍子だったけど、試験はなかなか。

それでどうするか…てところで。

いったん店を手伝う方に向きかけるも、やはり夢を諦めずに学校に再入学して前に進むところで終わるのがよかった。
夢を掴んで終わるではなく、失敗したからといって諦めず、また歩き出すところで終わるってのが。
その決断を聞いて、なんてことないって感じで店は心配するなと返す父も良かった。



ただ、母の病状が急激で悲しすぎたのと、
あのときパリにいたのに、母のことで帰ってきて(それはわかる)、そのままアメリカにいること、しかも、アメリカの学校友達も帰ってきてるところは謎だった。
あれ、交換留学的なのは、あのタイミングで終わったのか?


イライジャに、ブリー・ラーソンの「ユニコーンストア」でつぶらな瞳をキラキラさせためっちゃ人がいい好青年を演じたママドゥ・アティエ。
今回もつぶらな瞳で普通の青年がよく似合ってた。
頭もいいし真面目だし努力もするけど、失敗するのが怖くてなんか先延ばしにしちゃう、煮え切らないところもある、なんかフラフラしちゃうっていう、進路に迷う青年あるあるがめちゃくちゃ似合ってた笑。

彼の今後の活躍も期待。


いやー、しかし、
ワイン美味しそうだった!
でも、あんな色んな言語の名前があるのは覚えられないや〜笑。
ゆかちん

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