ジャックシューチャー

ワインは期待と現実の味のジャックシューチャーのレビュー・感想・評価

ワインは期待と現実の味(2020年製作の映画)
2.8
僕のような一般庶民には手が届かないし、想像もつかないような、ワインのソムリエという世界。
それに父親との確執、母の癌、恋、夢、などを絡めて、
普遍性と親近感を持たせて見せてくれます。

この手の映画の主人公って、
かなり貧乏でストリートな環境に身を置いていて、
そこから這い上がる!というパターンが多いと思うのですが、

この映画での主人公の家庭は中流階級で、
安心して大学にも通わせてもらえるような、
むしろわりと裕福なほう。
日本に住むわれわれも十二分に共感できるような環境だと思います。
興味のあることに片っ端から手を出してはどれも長く続かず、
取っ替え引っ換え試している主人公の姿にウンザリしてる親。
こういうところもリアルで親近感を持てました。

自分で夢を見出しそれをつかみ取るために、
足掻きながら成長していく、青春成長物語。
題材がソムリエじゃなくても成立する普遍性があります。

だけどそれ故にソムリエという、
ニッチな分野を映画の題材として扱う必然性があまり感じられなかったところが少し残念でした。

個人的には、ソムリエの世界をもっと深掘りして見せてほしかったかな。

この映画の最大の貢献は、
ワインに多少なりでも興味が持てるようになること。