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マシュー・ボーン IN CINEMA/ロミオとジュリエットのtaruponのレビュー・感想・評価

4.3
自粛明け、ひさびさの映画館での作品でした。
舞台でもバレエでもみているけれど(直近だとロイヤルの映画版をみたけれど)、こんなロミジュリは初めて。
時代や設定をいろいろ動かすのは、マシューボーンでは通常運転であるけれど、これはかなり大胆な変更。それでも、ロミジュリならではの大人のエゴに踏みにじられる10代の慟哭、10代ならではの瑞々しさや直情といったテーマは十分に伝わるものに仕上がっている。
現代を意識しての大人からの理不尽という設定だからこそ、反抗的な若者を収容する矯正施設であり、自分の意思を強く持ったジュリエットであり、自分に都合のよい子ども像を求める親(ロミオの両親)といった形で描かれている。
すごくシンプルな舞台美術と衣装が効いていて、肉体のしなやかさと、ダンスのパワーを感じさせる。
そぎ落とされた中での、バルコニーの場面でのロミオとジュリエットの踊り、そして最後ジュリエットが現実と幻覚の中で追い詰められ結末にいたる2人のダンスが色気もありつつ清廉さ真摯さを併せ持っている。
群舞も、それぞれのキャラが感じられる構成になっている。
そして、プロコフィエフがこんなに現代音楽だと感じられたことも新鮮だった。